MTN DEW ENERGY(8 Types)

2021年発売、マウンテンデューの新エナジードリンクブランド

2021年、レブロン・ジェームズを起用したプロモーションで華々しくデビューした「MTN DEW RISE ENERGY」は、マウンテンデューブランドの新しいエナジードリンクシリーズです。

これまでエナジードリンクを飲んでいなかった層を取り込むための新たなブランドとして一気に6フレーバーが同時に発売されました。

カフェインは通常のエナジードリンクよりも若干多めにした180mg、さらに砂糖をほぼ使用せず25kcalの低カロリー仕様です。これまでの砂糖をたくさん使った不健康なエナジードリンクとは別ジャンルのエナジードリンクブランドとしてスタートしました。

新発売直後、商標訴訟で「RISE」が使えなくなった

「MTN DEW RISE ENERGY」は発売するとすぐにコーヒー商品を展開するRISEブリューイングから商標に関する訴訟がスタート。

サイズが違う、デザインが違う、飲料ジャンルが違う、ロゴデザインが違う、間違えようのない商品が「MTN DEW RISE ENERGY」に対して商標を侵害されたと訴えてきたのです。

このRISEコーヒーのパッケージを見て「MTN DEW RISE ENERGY」が悪影響を及ぼすとは思えないのですが・・・。

地方裁判所は「コーヒーのRISE」も「MTN DEW RISE ENERGY」もどちらも「著しく似ている」とし、MTN DEW RISE ENERGYに対し11月に仮差止命令が出たため「RISE ENERGY」をやめて「MTN DEW ENERGY」にパッケージを変更しました。

発売直後の裁判開始によって、「MTN DEW RISE ENERGY」は「MTN DEW ENERGY」と名前とデザインを変更しました。正直こんな訴えが認められたことが理解できませんでした。

第二審でMTN DEW ENERGYが勝訴

2022年に行われた第二審でMTN DEW ENERGYが勝訴しました。

概要は、
「RISEという単語はコーヒー、紅茶、ボトル入り飲料、エナジードリンク、ソフトドリンクおよびその他の製品に関連して100回以上使用されている」
「ロゴもパッケージデザインもRISEブリューイング製品と混同するものではない」
として仮差止命令を取り消し、再び「RISE ENERGY」を使用できることになりました。

こんなこと当然だと思うのですが・・・。これにより発売当初の「MTN DEW RISE ENERGY」に戻せるわけですが、リブランドしてから既に1年以上が経過しており、ここでブランド名を変えるのも微妙かも・・・と思っていました。

2023年になってもブランド名は変わらずMTN DEW ENERGYのまま、数量限定フレーバーを発売するなどMTN DEW ENERGYとしてブランドを維持。

2024年、MTN DEW ENERGYが終りを迎えた

2024年、MTN DEW ENERGY Baja Blastを発売し、MTN DEW ENERGYシリーズを終売とするプレスリリースが発表されました。発売開始から3年でブランドが終了。

2020年頃からフィットネス系サプリメントブランドがエナジードリンクに進出し、年々シェアを拡大したことでMTN DEW ENERGYの売上も芳しくなかったものと推測します。

実際に2023年には店頭で見かけるMTN DEW ENERGYは僅かでした。取扱店舗自体が非常に少なく、売りたくても売れる状態ではないし、私たち消費者も買いたくても売っていない状況でした。この時点でMTN DEW ENERGYは終わりを見据えていたのでしょう。

既にペプシコはロックスターも所有しているわけで、MTN DEW ENERGYにこだわり続ける必要はなかったのかもしれません。