GHOST ENERGYが約10億ドルでドクターペッパーに買収される
アメリカのエナジードリンク業界に衝撃が走りました。
新世代エナジードリンクブランドの筆頭、GHOST ENERGYがドクターペッパーで知られる大手Keurig Dr Pepperにトータル約10億ドルで買収されることが10月24日発表されました。
既にKeurig Dr Pepper公式サイトのトップにはGHOST ENERGYをファミリーに迎え祝うようにカラフルな製品が並んでいます。まさにアメリカンドリーム!
2016年に設立、2024年に約10億ドルで買収、わずか8年足らずの出来事
GHOSTブランドは2016年にフィットネス系インフルエンサーが立ち上げたサプリメント事業からはじまりました。GHOSTグループで現在最も知られている主力事業がエナジードリンクブランドのGHOST ENERGYシリーズです。
GHOST ENERGYシリーズはゼロシュガーのフィットネス系エナジードリンクで、様々な大手メーカーとフレーバーコラボ商品を展開することで知られています。現在は地域限定商品、フェスコラボ限定商品を多数販売するなど全米にファンを増やし続けています。
まだGHOST ENERGYを知らない方はレビューをチェック!
ブランド自体が「インフルエンサー集団」として機能してしまう魅力的なGHOSTファミリー
IFBB PROのフィットネス系インフルエンサーだった創業者たちはアメリカの若者にフィットしたクールでお洒落なSNSプロモーションを投下していきました。
GHOST ENERGY発売後から見てきましたが、各商品をPRするというよりはブランド自体の魅力を高めていくスタイルは流石だなと感心していました。ワクワクさせてくれる商品とそれを実現する彼らの姿はまさにSNS時代の象徴と言えます。
特に動画のクオリティは非常に高いです。シーズンとエピソードで分けられたvlog形式で、シカゴの美しいGHOST本社、プロモーションで全米各地を飛びまわるGHOSTのCEO、CMO、主要メンバーが出演することで彼らのファンになってしまう仕掛けが素晴らしい。こんなエナジードリンクブランドは今まで見たことがありません。
過去3年で純売上高が4倍以上に増加
GHOST ENERGYの店頭販売面積は年々広がっており、過去3年で純売上高が4倍以上に増加。2023年のこの店舗では2列すべてがGHOST ENERGYで、シェアを落とし続けているロックスターよりも多く陳列されていました。
乱立するフィットネス系エナジードリンクが多い中、サプリメントショップの枠から飛び出し一般的なコンビニの面積を増やしていくブランドはそう多くありません。
個人的に彼らが作るプロダクトがとても好きで、アメリカの数あるエナジードリンクブランドの中でも特に好きなブランドのひとつです。
そんなGHOSTは2016年設立、2024年にGHOST Lifestyleと主力のGHOST Beveragesを含む60%がKeurig Dr Pepperに約9億9000万ドルで買収されることになりました。残りの40%は2028年に買収される予定で、GHOSTは引き続き共同創設者たちによって運営されます。これはファンとしては安心できそうです。
Keurig Dr Pepperはこれで成長するふたつのエナジードリンクブランドを持つことになった
Keurig Dr Pepperは既にVenom Energy、Xyience Energyを所有していますが、やや時代に取り残されてしまったレトロ感あるブランドです。
今回のGHOST ENERGYの買収に加えて2022年にはC4 ENERGYも買収済み。どちらもスーパーやコンビニなど身近な店舗で購入できる、成長著しいブランドです。
C4は2023年から独自の商品展開が凄まじく2024年も個性的な新作を連発しているため、今回買収されたGHOST ENERGYもこれまで通り独自色の強い商品とプロモーションで楽しませてくれそうです。
個人的にKeurig Dr Pepperの買収による各ブランドの劣化はほぼないのではと感じています。
Keurig Dr Pepperはエナジードリンク分野を特に重要視しており、またアメリカではC4やGHOSTのような新興エナジードリンクブランドが乱立していることから今後もKeurig Dr Pepper傘下に入るエナジードリンクブランドが出てきても驚きはありません。今後のアメリカのエナジードリンクシーンが楽しみです。
最近のエナジードリンクニュース
著者:エナジー・ドリン君
2001年頃、在米時にダンスシーンを通じてエナジードリンクに出会い感動。 帰国後日本ではネタ飲料扱いだったエナジードリンクの本当の魅力を伝えるために2013年総合サイトを開設。 エナジードリンクマニアとして改めてエナジードリンクを真剣に飲み始め、各国で狩りをして飲み集めたコレクションは世界7,000種類以上。 メディア取材を受ける評論家や専門家としても活動中。